专利摘要:

公开号:WO1989002072A1
申请号:PCT/JP1988/000882
申请日:1988-09-02
公开日:1989-03-09
发明作者:Hideki Nakamura
申请人:Terumo Kabushiki Kaisha;
IPC主号:G01N21-00
专利说明:
[0001] 明 細書
[0002] 光学式物質濃度測定方法および測定装置
[0003] [技術分野]
[0004] 本発明は、 光学式物質濃度測定方法および測定装置に関 するものである。 詳しく述べると、 本発明は、 液体または 気体中の特定物質の濃度を該特定物質も しく は該特定物質 から誘導される物質により発光体の発光強度が変化するこ とを利用して光学的に測定する方法および装置において、 変動因子による影響が少なく安定した応答を得られる光学 式物質濃度測定方法および測定装置に関するものである。
[0005] [背景技術]
[0006] 蛍光体あるいは燐光体、 すなわち、 総称するところのい わゆる発光体の中には、 ある物質によつて発光の強度が減 少する種類があることが知られている。 この現象は 「消光
[0007] [quenching] (反応) 」 と呼ばれ、 このような消光を及ぼ す物質を 「消光剤」 と呼ぶ。 また、 通常、 発光強度と消光 剤の濃度との間には次のような式 (これをシュテルン ♦ フ オルマーの式と呼ぶ) が成り立つ。
[0008] Ι ο / Ι = 1 + 1^ 3 · τ 0 [Q] ( I )
[0009] (但し、 式中 I Q は消光剤分子が実質上存在しないときの 発光強度、 I は消光剤濃度が [Q] の時の発光強度、 k q は消光反応速度定数、 て 。 は消光剤分子が実質的に存在し ないときの発光寿命である。 また k q と て 0 の積 (= K) は消光係数である。 )
[0010] この式 ( I ) において I 0 、 k q および r o は、 系内に 含有される発光体および消光剤の種類、 ならびに発光体を 含有する物質の種類などによって定まつた定数であるので、
[0011] Iを求めることによって消光剤の濃度が求められる。 なお
[0012] I 0 、 k g および が未知である場合には、 消光剤の濃 度の測定に先立ち、 消光剤の濃度が零であるときの発光の 強度を求めこれを I Q とし、 一方、 消光剤の濃度が零以外 の 1点以上の既知の濃度における発光の強度を求めこれを
[0013] I として、 I 0 / Iを消光剤の濃度に対してプロッ ト した 時求められる直線の傾きを K ( = k q · r o ) として求め ておく ことが一般的に行なわれている。 その他、 発光寿命 が測定できる装置を用いてこれから上記の諸定数を求める こともできるが、 装置が複雑であり高価でもあるので普及 していない。
[0014] ところで、 このような消光を利用して物質の濃度を測定 する方法は、 様々な分野に活用されている。 例えば、 ピレ ンなどの蛍光体の酸素による消光反応を利用した酸素濃度 測定装置 (日本国特許公告昭和 5 9年第 2 4 3 7 9号、 日 本国特許公開昭和 5 9年第 1 0 8 9 5 8号など) 、 ト リフ ェニレンなどの燐光体の酸素による消光反応を利用した高 分子中の酸素拡散係数の測定 (ジャ一ナル ·ォブ · フィ ジ カル · ケ ミ ス ト リ ー [ J . Phys . Cheni . ] 第 6 9巻、 1 1号、 3 6 7 7頁、 1 9 6 5年) 、 ピレン酪酸の酸素による消光 反応を利用した細胞内酸素分布の測定 (バイオヒ ミ カ ♦ ェ
[0015] ♦ バィオフ イ ジ力 ♦ ァク タ!; Biochein. Biophys . Acta. ]
[0016] 279巻、 397頁、 1 972年) などがある。 なお上記 に例示した態様においては、 測定対象となる物質自体が発 光体に対して消光剤として作用するが、 このような消光剤 は別の化学種であっても構わない。 すなわち、 測定対象と なる物質と何らかの化学反応 (例えば 「酵素反応」 ) を生 じせしめることによつて消光剤を誘導することも可能であ り、 このようにして誘導された消光剤を利用して濃度測定 を行なう こともできる。
[0017] ところで上述したような既知の方法においては、 励起光 源から発光体に到達する光の強度が常に一定であり、 かつ 発光体から光検出素子に至るまでの光伝達系において発光 の光信号が受ける変動または損失が一定であることを測定 の前提としているが、 実際の使用に際しては、 例えば長時 間の使用においては、 励起光源自体の光量に変動 ( ドリ フ ト) などがあり、 また光伝達系に光ファイバ一を用いた場 合などにおいては光ファィバーの屈曲、 周囲の温度などの 物理的条件の変動によって、 励起光源から発光体に到達す る光の強度および上述のような発光の光信号の変動が著し く 、 甚だ不安定な応答しか得られなかった。
[0018] 言い換えると、 式 ( I ) またはその変形式、
[0019] I = I o Z { l + K [Q] } (Π)
[0020] における I は常に変動成分 (これを V とする) を含み、 実 際に光検出素子で検出される光の強度は I x ( 1 + V ) と 示されるべきものである。 従って、 測定対象となる物質な しはこの物質より誘導される物質よりなる消光剤が存在 しないときの発光の強度もまた変動成分を含み光検出素子 により検知されるのであって、 測定を通じて常に一定の定 数としては扱い難いものである。
[0021] 従来、 励起光源からの光量を一定にするために多く の巿 販の蛍光分光光度計においては、 励起光源 (通常はキセノ ンラ ンプ) からの光が蛍光物質のある試料室に至るより前 に、 この光の一部を一定の強度割合で光学的に取出し、 該 光量を専用の光検出素子で検知し、 発光強度を検出する光 電子增倍管に印加する電圧に該光検出素子からの電気信号 をフィ ー ドバック して励起光強度の晦間的変動を相殺する ような構成とされている。 またピーターソンらの考案 (日 本国特許出願公表昭和 5 9年第 5 0 0 8 9 6号 [ P C T Z U S 8 2 / 0 3 3 4 4 ] ) では、 多孔質担体上に吸着固定 したペリ レンジプチレー トからの蛍光を酸素が消光するこ とを利用した酸素濃度測定用探針を使用するにあたり、 該 蛍光の基準光として励起光源からの光の散乱光を用いるこ とを推奨している。
[0022] これらの技術で共通しているのは、 励起光源からの光の 一部の強度を測定することで光源自体の光強度の変動を相 殺しようとする点である。 しかしながら、 これらの技術に おいては、 光源自体の光強度の変動については対応できる ものの、 それ以外の発光強度に対する変動成分に関する考 察は加えられていないため、 上述したような消光を利用し た物質濃度の測定においてこのような諸変動からく る測定 誤差に対しては効果が見られないもの:であった。 さらに、 後者の考案において推奨する技術は、 発光体を含有する部 位で励起光源からの光が散乱することによって始めて使用 可能な技術であって、 該散乱が起こらないような構成、 あ るいはたとえ起きても発光の検出素子までの経路に該散乱 光が導入されないような構成では何の効果もなく 、 散乱光 強度が著しく小さいときは測定すら不能となるものであつ た。
[0023] 従って、 本発明は新規な光学式物質濃度測定方法および 測定装置を提供することを目的とする。 本発明はまた液体 または気体中の特定物質の濃度を簡単な構成で精度高く測 定する光学式物質濃度測定方法および測定装置を提供する ことを目的とする。 本発明はさらに液体または気体中の特 定物質の濃度を該特定物質もしく は該特定物質から誘導さ れる物質により発光体の発光強度が変化することを利用し て光学的に測定する方法および装置において、 変動因子に よる影響が少なく安定した応答を得れる光学式物質濃度測 定方法および測定装置を提供することを目的とする。
[0024] [発明の開示]
[0025] 上記諸目的は、 液体または気体中の特定物質の濃度を該 特定物質もしく は該特定物質から誘導される物質による発 先体の消光を利用して光学的に検知する方法において、 前
[0026] S特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により消 光される第 1発光体 (A ) と、 前記特定物質もしく は特定 物質から誘導される物質により実質的に消光されない第 2 発光体 (B ) の双方を存在させ、 第 1発光体 (A ) からの 発光の強度 ( I A ) に対応した光信号と第 2発光体 (B ) からの発光の強度 ( I B ) に対応した光信号を測定し、 そ れぞれの光信号間の比を求めることにより特定物質の濃度 を検知することを特徵とする光学式物質濃度測定方法によ り達成される。
[0027] 本発明はまた、 特定物質の濃度の検知に先立ち、 前記特 定物質の少なく とも 2つの相異なる既知濃度に対し、 第 1 発光体 (A ) からの発光の強度 ( I A ) に対応した光信号 と第 2発光体 (B ) からの発光の強度 ( I B ) に対応した 光信号との比を、 検量のために求めておく ものである光学 式物質濃度測定方法を示すものである。 本発明はさらに、 第 1発光体 (A ) の発光スぺク トルと第 2発光体 (B ) の 発光スぺク トルとが互いに異なる波長領域にあるものであ る光学式物質濃度測定方法を示すものである。 本発明はさ らに、 酸素濃度測定に用いられるものである光学式物質濃 度測定方法を示すものである。
[0028] 上記諸目的はまた、 発光体を含有する層からなるセンサ 一部、 前記発光体を励起するための励起光源、 発光の強度 を検出する計測部および前記センサー部における発光体の 発光に対応する光信号を計測部へ伝達する導光部とを有し、 液体または気体中の特定物質の濃度を該特定物質もしく は 該特定物質から誘導される物質に消光される発光体の消光 を利用して光学的に測定する装置において、 センサー部に は少なく とも 1種は前記特定物質もしく は特定物質から誘 導される物質により消光され、 また少なく とも 1種は前記 特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質 的に消光されない 2種以上の発光体が含まれており、 さら に計測部はそれぞれの発光体の発光強度に対応する光信号 を区別して検知する光学的技術手段を備えていることを特 徴とする光学式物質濃度測定装置によつても達成される。
[0029] 本発明はまた、 センサー部には、 発光スぺク トルが互い に異なる波長領域にありかつ少なく とも 1種は前記特定物 質もしく は特定物質から誘導される物質により消光され、 また少なく とも 1種は前記特定物質もしく は特定物質から 誘導される物質により実質的に消光されない 2種以上の発 光体が含まれているものである光学式物質濃度測定装置を 示すものである。 本発明はまた、 導光部は、 センサー部に おけるそれぞれの発光体の発光に共通のものであり、 また 計測部は、 前記導光部により導かれた光信号をそれぞれの 発光体の発光に対応する相異なる波長成分に分光する分光 器、 分光された各波長成分における光信号を電気信号に変 換する光検出素子、 および前記光検出素子より得られた電 気信号によって前記特定物質もしく は特定物質から誘導さ れる物質により消光される発光体の発光強度に対応する光 信号と前記特定物質もしく は特定物質から誘導される物質 により実質的に消光されない発光体の発光強度に対応する 光信号の比を算出する演算装置を有するものである光学式 物質濃度測定装置を示すものである。 本発明はさらに、 セ ンサ一部において、 前記特定物質もしく は特定物質から誘 導される物質により消光される発光体と前記特定物質もし ぐは特定物質から誘導される物質により実質的に消光され ない発光体とが同じ試薬層に含有されるものである光学式 物質濃度測定装置を示すものである。 本発明はまた、 セン サ一部において、 前記特定物質もしく は特定物質から誘導 される物質により消光される発光体と前記特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質的に消光されな い発光体とが互いに異なるが近接した試薬層に含有される ものである光学式物質濃度測定装置を示すものである。
[0030] [図面の簡単な説明]
[0031] 第 1図は、 本発明の光学式物質濃度測定装置の一実施態 様の構成を示す概略図であり、 また第 2図は、 酸素分圧と
[0032] I ί / I k との関係を示すグラフである。
[0033] [発明を実施するための最良の形態] しかして本発明は、 液体または気体中の特定物質の濃度 を該特定物質もしく は該特定物質から誘導される物質によ る発光体の消光を利用して光学的に検知する方法において、 前記特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により 消光される第 1発光体 (A) と前記特定物質もしく は特定 物質から誘導される物質により実質的に消光されない第 2 発光体 (B) の双方を存在させ、 第 1発光体 (A) からの 発光の強度 ( I A ) に対応した光信号と第 2発光体 (B) からの発光の強度 ( I B ) に対応した光信号を測定し、 そ れぞれの光信号間の比を求めることにより特定物質の濃度 を検知することを特徴とするものである。
[0034] 本発明者は、 検出される発光体の発光の強度に対応する 光信号における変動成分の影響を消去する技法を見出すた めに鋭意研究の結果、 測定系内に消光剤 (特定物質もしく は特定物質から誘導される物質) により消光される発光体 [第 1発光体 (A) ] に加えて、 該消光剤により実質的に 消光されない発光体 [第 2発光体 (B) ] を存在させるこ とで、 以下に示すような論点に基づき精度の高い物質濃度 の測定が可能であるとの結論に達したものである。 すなわ ち、 シュテルン · フ オルマーの式 (Π) が示す発光強度と 消光剤との関係において、 前述した変動成分 Vを考慮する と、 測定系内に存在する第 1発光体 (A) および第 2発光 体 (B) については、 それぞれ、
[0035] I I = I A. 0 ( l + v) / { 1 +K [Q] } (m)
[0036] U = I B, 0 ( 1 + V ) (IV) と示される。 なお式 (m) および (IV) において添字 f は 光検出素子で実測される光信号であることを表わし、 また 添字 Q は測定対象となる物質ないしは該物質より誘導され る物質よりなる消光剤が存在しないときの発光強度である ことを表すものである。 すなわち、 Ι ί 、 はそれぞれ 第 1発光体 (Α) および第 2発光体 (Β) からの発光が既 存の光学技術によって光検出素子まで導かれた際、 該光検 出素子が検知するところの実測の光信号であり、 第 1発光 体 (Α) および第 2発光体 (Β) からの発光の強度に光源 からの光の強度の変動、 導光部における光量損失などの変 聽成分を含んだ形に変形したものである。 さらに第 2発光 体 (Β) の発光は消光剤の存在によっても消光されないも のであるので、 第 2発光体 (Β) の発光の強度に対する消 光係数 Κは実質的に 0であり、 従って、 式 (IV) が成立つ ものである。
[0037] " さて、 このように第 1発光体 (Α) ·と第 2発光体 (Β) との双方を測定系内に存在させ、 それぞれめ発光に対する 変動成分が互いに同じである構成においては、 式 (ΠΓ) お よび式 (IV) から次のような関係式が導かれる。
[0038] I έ κ I i = ( I Β. ο χ I A. ο ) χ { l + κ [Q] }
[0039] (V) このように関係式 (V) においては変動成分 Vが除去さ れる。 従って、 I B. 。 Z Iん 。 および Kは用いる発光体に より定まる定数であるので、 Ι έ Ζ Ι ί (または
[0040] I i κ η ) を検知することにより、 変動成分に影響され ることなく消光剤の濃度 [Q] を求 ることができ、 測定 系内に消光剤により消光される発光体 [第 1発光体 (Α) ] のみを存在させ単に I Α を検知することにより消光剤の濃 度 [ Q ] を求める従来の方法に比較して精度の高い安定し た測定が可能となる.。
[0041] 以下、 本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。 本発明の光学式物質濃度測定方法は、 従来の光学式物質 濃度測定方法と同様に、 液体または気体中の特定物質の濃 度を、 発光体の発光の該特定物質もしく は該特定物質から 誘導される物質による消光作用を利用して光学的に検知す るものであって、 従来の方法が適応される各種の分野に同 様に適応されるものであり、 例えば、 大気中における 0 2 ,
[0042] N O、 N 0 2 等の濃度測定、 水あるいは血液などの水性媒 体中の酸素、 窒素、 水素、 二酸化炭素、 塩素、 アルゴン等 の溶存ガスの濃度測定に有利に使用される。 なお本発明の 光学式物質濃度測定方法において測定対象となる物質とし ては、 後述するような第 1発光体 (A ) の発光を消光する 作用を直接有する (すなわち測定対象となる物質が消光剤 である) もののみならず、 該特定物質と何らかの化学反応 (例えば酵素反応) を生じせしめることにより誘導された 別の化学種が第 1発光体 (A ) の発光を消光する作用を有 する (すなわち測定対象となる物質から誘導された物質が 消光剤である) ものも含まれるものである。
[0043] しかして本発明の光学式物質濃度測定方法においては、 測定対象となる上記のごとき特定物質もしく は該特定物質 から誘導される物質により消光される第 1発光体 (A ) と 上記のごとき特定物質もしく は該特定物質から誘導される 物質により実質的に消光されない第 2発光体 (B) とを用 ^るものである。 用いられる第 1発光体 (A) および第 2 体 (B) は、 各種の発光体、 すなわち、 励起光によつ て胁起され蛍光または燐光を発する物質の中から、 それぞ れの発光体としての要件 (第 1発光体に関しては消光剤に り消光される要件、 また第 2発光体に関しては消光剤に より実質的に消光されない要件) を満たすものが適宜選択 される。 なお第 1発光体 (A) は、 上記消光剤との間のゆ るい結合によって無発光複合体を形成され静的消光を引起 こされるものでも、 励起状態において消光剤と衝突するこ とにより励起エネルギーを奪われ動的消光を引起こされる ものであってもよい。 用いられる第 1発光体 (A) および 第 2発光体 (B) は、 当然に測定対象となる物質もしく は 該物質から誘導される物質よりなる消光剤により異なって く るが、 例えば消光剤が酸素である場合、 第 1発光体 (A) と しては、 ト リ ス ( 2 , 2 ' — ビビリ ジン) ノレテニゥム (.E) 錯体、 ト リ ス ( 1 , 1 0 一 一フヱナン ト 口 リ ン) ル テニゥム (Π) 錯体、 1ーピレン酪酸およびその塩類、 ピ レン、 ア ミ ノ ビレン、 ペリ レン、 ペリ レ ンジプチレー ト、 2, 7—ジクロ口フルォレセイ ンなどが用いられ得、 一方、 第 2発光体 (B ) と しては硫酸プロフラ ピン、 フルォレセ イ ン、 ェォシン Y、 その他多くの螢光体などが用いられ得 る Ο 本発明の光学式物質濃度測定方法においては、 このよう に測定対象となる上記のごとき特定物質もしく は該特定物 質から誘導される物質により消光される第 1発光体 (Α) と特定物質も しく は該特定物質から誘導される物質により 実質的に消光されない第 2発光体 (Β) とを存在させる力 それぞれの発光体による発光の強度に対応した光信号 I ^ および I を区別して検知することはいくつかの方法によ り可能となる。 それらの方法を列挙すると、 例えば、
[0044] ( 1 ) 第 1発光体 (Α) と第 2発光体 (Β ) からの発光 スぺク トルが互いに異なることにより、 相異なる波長成分 に光学的に分けたのち、 光検出素子に導く方法、
[0045] (2) 第 1発光体 (Α) および第 2発光体 (Β ) からの 発光スぺク トルが重なっている波長領域が広く 、 光学的手 法では相異なる波長成分に分けられないとき、 各々の発光 体からの発光を互いに独立したタイ ミ ングで検知するか、 2つの光検出素子に各々の光信号を検知させる方法、 およ び、
[0046] (3) 第 1発光体 (Α) および第 2発光体 (Β ) からの 発光寿命の違いを計測し解析法を使用して各々の発光強度 を算出する方法
[0047] などが考えられ、 いずれも既存の光学的技術により可能で あるが、 これらのうちで ( 1 ) の方法が最も望ま しい。 す なわち ( 2 ) の方法は第 1発光体 (Α) および第 2発光体 (Β) が含有される試薬層が互いに独立していなく てはな らず、 各発光強度に対する変動成分を等しくすることが困 難であり、 また (3) の方法では、 特殊なパルス光源 (例 えば、 水素放電管、 レーザー) 、 シングルフォ トカウンテ ィ ング法、 積算装置、 コンピューターなどを用いなくては ならず、 装置が複雑となるばかりか測定に長時間を要する ものとなるためである。 なおここで言う 「試薬層」 とは発 光体が含有される部位であり、 通常は測定対象物質または 該、測定対象物質より誘導される物質からなる消光剤が拡散 しゃすいマ ト リ ックスからできている。
[0048] 本発明の光学式物質濃度測定方法においては、 上記のよ うな方法に基づきそれぞれ第 1発光体 (A) および第 2発 光体 (B) からの発光の強度が既存の光学技術によって光 検出素子まで導かれ、 '該光検出素子により実際に検知され た実測の光信号 I および I ί を、 上記一般式 (V)
[0049] Ι έ Ζ Ι ί = ( I Β. 0 / I A. 0 ) x { 1 + K [Q] }
[0050] (V) に代入する :とにより、 消光剤の濃度 [Q] を求めること ができる。 なお一般式 (V) における I B.。 Z I A.。 およ び Kは、 用いる発光体により定まる定数であるが、 通常は 未知であるので、 測定対象物質の濃度測定に先立ち、 少な く とも 2つの相異なる既知濃度に対し、 前記第 1発光体 (A) からの発光の強度 ( I A ) に対応した光信号と第 2 発光体 (B) からの発光の強度 ( I 3 ) に対応した光信号— の強度との比を求めておき、 これに基づいて測定対象の未 知濃度を検量することが望ま しい。
[0051] 以上のごとき光学式物質濃度測定方法は、 発光体を含有 する層からなるセンサー部、 前記発光体を励起するための 励起光源、 発光の強度を検出する計測部および前記センサ 一部における発光体の発光に対応する光信号を計測部へ伝 達する導光部とを有し、 液体または気体中の特定物質の濃 度を該特定物質も しく は該特定物質から誘導される物質に より消光される発光体の消光を利用して光学的に測定する 装置において、 センサ一部には少なく とも 1種は前記特定 物質も し く は特定物質から誘導される物質により消光され、 また少なく とも 1種は前記特定物質も しく は特定物質から 誘導される物質により実質的に消光されない 2種以上の発 光体が含まれており、 さ らに計測部はそれぞれの発 3光体の 発光強度に対応する光信号を区別して検知する光学的技術 手段を備えていることを特徴とする光学式物質濃度測定装 置により実施され得るが、 特に前記したような理由から、 センサー部に、 発光スぺク トルが互いに異なる波長領域に ありかつ少なく とも 1種は前記特定物質も しく は特定物質 から誘導される物質により消光され、 また少なく と も 1種 は前記特定物質も しく は特定物質から誘導される物質によ り実質的に消光されない 2種以上の発光体が含まれている ものである発光スぺク トルが互いに異なる波長領域にあり かつ少なく とも 1種は前記特定物質も しく は特定物質から 誘導される物質により消光されまた少なく と も 1種は前記 特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質 ^に消光されない 2種以上の発光体が含まれている光学式 歡質濃度測定装置によりさらに好適に実施され得る。
[0052] このような光学式物質濃度測定装置において、 そのセン サ一部に含まれる、 前記特定物質もしく は特定物質から誘 導される物質により消光される第 1発光体 (A ) と前記特 定物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質的 . に消光されない第 2発光体 (B ) は、 それぞれ 1種ずっ存 在すれば充分であるが、 それぞれの発光体として複数種の ものが含まれていてもそれぞれの発光体からの発光の強度 を独立して検知できる計測部を構成する限りにおいては問 題は生じない。
[0053] さらにこのセンサー部において該第 1発光体 (A ) と該 第 2発光体 (B ) とは同じ試薬層に含有されることが望ま しい。 なぜなら発光体から分光されるまでの光学系を共通 のものとすることがさらに容易となり変動成分 Vが第 1発 光体 (A ) と第 2発光体 (B ) において互いに等しく なる ためである。
[0054] ^るいはまたセンサー部において該第 1発光体 (A ) と 該第 2発光体 (B ) とは互いに異なるが近接した試薬層に 含有されるものであってもよい。 この場合各試薬層を光軸 に対して並列にも直列にもおく ことが可能である。 しかし ながら、 いずれにしても第 1発光体 (A ) と第 2発光体
[0055] C B ) とが同じ試薬層に含まれる場合に比較して、 センサ —部の構成が多少複雑なものとならざる得ない。 さらに直 列に配置する場合ば、 光の吸収による損失が過大にならな いように発光体の濃度、 試薬層のマ ト リ ックスの光透過性 を考慮しなくてはならない。
[0056] 本発明の光学式物質濃度測定装置において励起光源と し ては、 使用する第 1発光体 (A ) および第 2発光体 (B ) を励起できる波長を得ることができるものであれば連続光 でもパルス光でもよく、 例えばキセノ ンランプ、 超高圧水 銀灯、 レーザー、 発光ダイオー ド等任意の光源を選択する ことができる。
[0057] また発光体の発光に対応する光信号を計測部へ伝達する 導光部としては、 例えば光ファイバ一、 各種レ ンズ等が用 いら,れるが、 この導光部は、 センサ一部における第 1発光 体 (A ) および第 2発光体 (B ) の発光に共通のものであ ることが変動成分 Vを第 1発光体 (A ) と第 2発光体 (B ) において互いに等しくするために望まれる。
[0058] そして導光部により導かれた光信号を計測する計測部は、 従来の光学技術に基づき容易に形成され得るが、 例えば、 第 1発光体 (A ) の発光スぺク トルと第 2発光体 (B ) の 発光スぺク トルとが異なる波長領域にある場合、 代表的に は、 それぞれの発光体の発光に対応する相異なる波長成分 に分光する分光器、 分光された各波長成分における光信号 を電気信号に変換する光検出素子、 および前記光検出素子 より得られた電気信号によって前記特定物質も しく は特定 物質から誘導される物質により消光される発光体 [第 1発 ¾体 (Α ) ] の発光強度に対応する光信号 I と前記特定 物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質的に 消光されない発光体 [第 2発光体 (Β ) ] の発光強度に対 応する光信号 I の比 I / I k を算出する演算装置によ り構成される。
[0059] 導光部により導かれた光信号をそれぞれの発光体の発光 に対応する相異なる波長成分に分光する分光器としては、 種々の分光方法、 例えば、 ( 1 ) 干渉フィルター、 ダイク 口イ ツク ミ ラー等の光学フィルターを使用する方法、 (2 ) 回折格子を用いる方法あるいは (3 ) プリズムを用いる方 法など 〔 「応用分光学ハン ドブック」 (朝倉書店刊) など に詳しい〕 のいずれに基づく ものであっても使用可能であ る。 このうち ( 1 ) の光学フ ィ ルターを用いる方法が最も 安価で装置もコンパク トにできる。 特に分光感度を上げた い場合は (2 ) の回折格子を用いる方法が望ましい。 なお ( 3 ) のプリズムを用いる方法は、 装置上単純であるが、 明るさの点で限界があり、 一般的ではない。
[0060] また光検出素子も成書に詳しく、 用いられる発光体の発 光の波長、 発光強度等に応じて適宜選択され得る。 多くの 発光体の発光の波長領域のある紫外可視領域の微弱光の測 光には、 光電子増倍管が最も感度が高く、 一般的である。 またフ ォ トダイオー ド、 フ ォ ト トランジスタ一などの固体 型光検出素子も使用可能である。 本発明の光学式物質濃度 測定装置において、 センサ一部に第 1発光体 (A ) と第 2 発光体 (B ) とがそれぞれ 1種づっ存在する場合、 光検出 素子が 2個である構成と、 1個である構成とが取られ得る。 莳者においては 2個の光検出素子 (フォ トダイォー ドアレ ィを使う場合はそれ自体多素子であるので 1個でよい) を 用いて、 各発光体の発光に対して測光を独立させるもので あり、 光学系の構成は単純となる。 一方、 後者では多く の 2光束の分光学的装置 (紫外可視分光光度計など) が採用 しているように、 光チョ ッパー、 回転ミ ラーなどを使って、 分光するタイ ミ ング、 あるいば分光された光を 1つの検出 素子に導入するタイ ミ ングに 2種の発光間で時間的なズレ を生じさせ、 ロックイ ンアンプなどで同期增幅するもので ある。 後者においては装置が複雑となるが、 光検出素子の バックダラゥン ド電流が相殺される利点を有するものであ ο
[0061] 第 1図は、 本発明の光学式物質濃度測定装置の一実施態 様の構成を示す概略図である。 すなわち第 1図に示される 光学式物質濃度測定装置は、 液体中に溶存する酸素濃度を 測定する光学式物質濃度測定装置であって、 励起光源と し て直流電源 1 に接続された超高圧水銀灯 2を、 センサ一部 として酸素により消光する第 1発光体 (A ) と酸素により 実質的に消光しない第 2発光体 (B ) とが均一に同一マ ト リ ックス中に分散されてなる試薬層 1 6が溶存酸素を選択 的に透過する透過性膜 1 7に覆われてなるプローブを、 導 光部としてセンサ一部におけるそれぞれの発光に共通の光 ファイバー 1 5を有し、 また計測部としては、 ビームスプ ¾ ッター 1 2とそれぞれの発光体の発光の特定の波長領域 の光のみを選択的に透過する干渉フィルター 8、 9を組合 せてなる分光器と、 それぞれの干渉フィルター 8、 9を透 過した光信号を検知しこれを電気信号に変換する 2つの光 電子増倍管 1 0 a、 1 0 bよりなる光検出素子と、 2つの 先電子增倍管 1 0 a、 1 0 bより得られる電気信号の比
[0062] 《第 1発光体 (A ) の発光強度に対応する光信号と第 2発 光体 (B ) の発光強度に対応する光信号との比) を算出す る演算装置 2 0を備えたものである。
[0063] この装置において超高圧水銀灯 2から発せられた励起光 は絞り 3を通され、 干渉フィ ルター 4により特定波長域の 光のみが選択され、 さらに凸レンズ 5 aにより収束されて 二色性鏡 6に至り、 こ こで反射偏向され、 対物レ ンズ 7 に より収束されて光フアイバー 1 5中に挿入される。 光ファ ィバー 1 5により導かれた励起光が光フアイバー 1 5の先 端に設けられた試薬層 1 6に到達すると試薬層 1 6内に含 まれる第 1発光体 (A ) および第 2発光体 (B ) はそれぞ れ固有の波長の発光を放射し、 該発光は前記光ファイバ一 1 5に入射する。 なお前記したように第 1発光体 (A ) の 発光は、 水槽 1 8中に入れられた試料溶液 1 9に溶存酸素 ガスが存在し、 該溶存酸素ガスが透過性膜 1 7を透過し試 薬層 1 6に拡散されることにより消光されるが、 一方第 2 発光体 (B ) の発光は、 このよ うな溶存酸素ガスの存在に 影響されないものである。 光ファイバ一 1 5を伝送され射 出された発光は、 対物レ ンズ 7により収束され、 二色性鏡 6を透過し、 一対の凸レンズ 5 b、 5 c により再び収束さ れ、 ビームスプリ ツター 1 2により等しい二光束に分割さ れ、 それぞれ干渉フィルター 8および 9に至る。 干渉フィ ルター 8においては、 第 2発光体 ( B ) の発光の波長領域 の光信号のみが透過され、 この第 2発光体 (B ) の発光に 対応する光信号は、 光電子增倍管 1 0 aにより検知され電 気信号に変換され、 前置増幅器 1 1 aにより増幅され、 演 算装置 2 0に送られる。 一方、 干渉フィ ルター 9において は、 第 1発光体 (A ) の発光の波長領域の光信号のみが透 過され、 この第 1発光体 (A ) の発光に対応する光信号は 光電子增倍管 1 0 bにより検知され電気信号に変換され、 前置増幅器 1 1 bにより増幅され、 演算装置 2 0に送られ る。 演算装置 2 0においては光電子增倍管 1 0 aおよび 1 0 bから送られてきた電気信号の比が算出され、 さらに增 幅器 1 3により増幅されたのち、 この比はレコーダーまた はデジタルマルチメーター 1 4に記録または表示される。
[0064] 以下、 本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。 実施例
[0065] 酸素に消光される第 1発光体 (A ) と してルテニウム ( Π ) ト リ ス ( 2 , 2 ' — ビビリ ジ ン) 塩化物 (アル ドリ ツチ社製) を、 また酸素に消光されない第 2発光体 (B ) として硫酸プロブラビン (アルドリ ッチ社製) を用いた。 まずルテニゥム ( Π ) ト リ ス ( 2 , 2 ' — ビビリ ジン) 塩化物 5 ιπΜおよび硫酸プロフラ ビン 0, 1 ιπΜを含有す る水溶液 1 mlにポリ ビニルピロリ ドン (和光純薬線製、 K - 30) 10 Oingを溶解した。
[0066] 予め 2mに切断したプラスチック光ファイバ一 (三菱レ —ヨン赖製、 S H- 200 1) の片末端を前記の水溶液に 浸漬して引上げ、 乾燥して試薬層 (厚さ約 0. 0 1M) を 得た後、 シリ コーンシーラ ン ト ( トー レシリ コー ン㈱製、 S E - 200 1 ) をこの上に塗布して硬化させ、 酸素透過 膜 (厚さ約 0. 05 loin) を形成した。 このようにして得ら れた酸素濃度測定用プロ一ブを有した光ファィバーを第 1 図に示す うな光学式物質濃度測定装置に装着した。 なお 第 1図に示す測定装置において、 干渉フ ィ ルター 4の最大 透過波長は 435 nm. 干渉フィルター 8の最大透過波長は 610 nm、 干渉フ ィ ルター 9の最大透過波長は 510 で あり、 また凸レンズ 5 a、 5 b、 5 cの焦点距離 f は 20 Omniであり、 対物レンズの倍率は 20倍であった。 また水 槽 1 9中には水を入れ酸素を含む窒素ガスを吹送した。
[0067] 前記プローブを水中に投じて発光強度の比 I Z I を 種々の酸素分圧について測定した。 結果を第 1表および第 2Sに示す。 水に導入したガス中の
[0068] 酸素濃度 (モル%) I A
[0069] : 0 0 6 5 9
[0070] 7. 0 0 77 2
[0071] 1 3. 4 〇 86 7
[0072] 2 0. 5 0 9 7 3
[0073] 2 9. 2 1 04 第 1表に示すように酸素分圧と I / I 1 との間に良好 な直線関係が得られた (なお水中の溶存酸素ガス濃度は導 入した混合ガスの酸素分圧に比例するものである。 [ヘン リーの法則] ) 。 また励起光源からの光量を絞りにより故 意に変化させても I / I Α は変化しなかった。
[0074] [産業上の利用可能性]
[0075] 以上述べたように本発明は、 液体または気体中の特定物 質の濃度を該特定物質もしく は該特定物質から誘導される 物質による発光体の消光を利用して光学的に検知する方法 において、 前記特定物質もしく は特定物質から誘導される 物質により消光される第 1発光体 (A) と前記特定物質も しく は特定物質から誘導される物質により実質的に消光さ れない第 2発光体 (B ) の双方を存在させ、 第 1発光体 (A) からの発光の強度 ( I A ) に対応した光信号と第 2 先体 (B ) からの発光の強度 ( I B ) に対応した光信号 を澌定し、 それぞれの光信号間の比を求めることにより特 定物質の濃度を検知することを特徴とする光学式物質濃度 測定方法であるので、 励起光源の光量の変動、 導光部とし ての光ファイバ一の屈曲、 周囲の温度などの物理的条件の 変動などの変動因子に左右されず、 液体または気体中の特 定物質の濃度を安定して精度高く測定することができ、 例 元ば、 大気中における 0 2 、 N O . N 0 2 等の濃度測定、 水あるいは血液などの水性媒体中の酸素、 窒素、 水素、 二 酸化炭素、 塩素、 アルゴン等の溶存ガスの濃度測定などの 各種の分析 ·測定の分野ないしはこれを基礎とする種々の 産業分野において大きな進展をもたらすものである。
[0076] さらに本発明の光学式物質濃度測定方法において、 特定 物質の濃度の検知に先立ち、 前記特定物質の少なく とも 2 つの相異なる既知濃度に対し、 第 1発光体 (A ) からの発 光の強度 ( I A ) に対応した光信号と第 2発光体 (B ) か らの発光の強度 ( I B ) に対応した光信号との比を、 検量 のために求めておく ものであると物質濃度の測定がより容 募なものとなり、 さらに、 第 1発光体 (A ) の発光スぺク トルと第 2発光体 (B ) の発光スぺク トルとが互いに異な る波長領域にあるものであるとより簡単な構成でより精度 の高い測定が可能となるものである。
[0077] 本発明はまた、 発光体を含有する層からなるセンサ一部、 前記発光体を励起するための励起光源、 発光の強度を検出 する計測部および前記センサ一部における発光体の発光に 対応する光信号を計測部へ伝達する導光部とを有し、 液体 または気体中の特定物質の濃度を該特定物質もしく は該特 定物質から誘導される物質により消光される発光体の消光 を利用して光学的に測定する装置において、 センサー部に は少なく とも 1種は前記特定物質もしく は特定物質から誘 導される物質により消光され、 また少なく とも 1種は前記 特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質 的に消光されない 2種以上の発光体が含まれており、 さら に計測部はそれぞれの発光体の発光強度に対応する光信号 を区別して検知する光学的技術手段を備えていることを特 徵とする光学式物質濃度測定装置であるから、 上記したよ うな本発明の光学式物質濃度測定方法に基づき、 変動因子 に左右されず液体または気体中の特定物質の濃度を安定し て精度高く測定することができる ものである。
[0078] またセンサー部には、 発光スぺク トルが互いに異なる波 長領域にありかつ少なく とも 1種は前記特定物質もしく は 特定物質から誘導される物質により消光され、 また少なく とも 1種は前記特定物質もしく は特定物質から誘導される 物質により実質的に消光されない 2種以上の発光体が含ま れている ものであり、 さ らに、 センサー部におけるそれぞ れの発光体の発光に共通のものであり、 また計測部が、 前 記導光部により導かれた光信号をそれぞれ 発光体の発光 に対応する相異なる波長成分に分光する分光器、 分光され た各波長成分における光信号を電気信号に変換する光検出 素子、 および前記光検出素子より得られた電気信号によつ て前記特定物質もしく は特定物質から誘導される物質によ り消光される発光体の発光強度に対応する光信号と前記特 定物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質的 に消光されない発光体の発光強度に対応する光信号の比を 算出する演算装置を有するものであると、 より簡単な構成 においてより精度の高い物質濃度測定が可能となるもので あり、 加えて、 センサー部において、 前記特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により消光される発光体と 前記特定物質もしく は特定物質から誘導される物質により 実質的に消光されない発光体とが同じ試薬層に含有される ものであると変動因子による影響をさらに低く押えること ができ、 安定した応答を得ることが可能となるものである
权利要求:
Claims請求 の 範 囲
1 . 液体または気体中の特定物質の濃度を、 該特定物質 もしく は該特定物質から誘導される物質による発光体の消 光を利用して光学的に検知する方法において、 前記特定物 質もしく は特定物質から誘導される物質により消光される 第 1発光体 (A ) と、 前記特定物質もしく は特定物質から 誘導される物質により実質的に消光されない第 2発光体
( B ) の双方を存在させ、 第 1発光体 (A ) からの発光の 強度 ( I A ) に対応した光信号と第 2発光体 (B ) からの 発光の強度 ( I B ) に対応した光信号を測定し、 それぞれ の光信号間の比を求めることにより特定物質の濃度を検知 することを特徵とする光学式物質濃度測定方法。
2 . 特定物質の濃度の検知に先立ち、 前記特定物質の少 なく とも 2つの相異なる既知濃度に対し、 第 1発光体 ( A ) からの発光の強度 ( I A ) に対応した光信号と第 2発光体
( B ) からの発光の強度 ( I B ) に対応した光信号との比 を、 検量のために求めておく ものである請求の範囲第 1項 に記載の光学式物質濃度測定方法。
3 . 第 1発光体 (A ) の発光スぺク トルと第 2発光体 ( B ) の発光スぺク トルとが互いに異なる波長領域にある ものである請求の範囲第 1項または第 2項に記載の光学式 物質濃度測定方法。
4 . 酸素濃度測定に用いられるものである請求の範囲第 1項〜第 3項のいずれかに記載の光学式物質濃度測定方法。
5 . 発光体を含有する層からなるセンサー部、 前記発光 体を励起するための励起光源、 発光の強度を検出する計測 部および前記センサ一部における発光体の発光に対応する 光信号を計測部へ伝達する導光部とを有し、 液体または気 体中の特定物質の濃度を該特定物質もしく は該特定物質か ら誘導される物質により消光される発光体の消光を利用し て光学的に測定する装置において、 センサー部には少なく とも 1種は前記特定物質もしく は特定物質から誘導される 物質により消光され、 また少なく とも 1種は前記特定物質 もしく は特定物質から誘導される物質により実質的に消光 されない 2種以上の発光体が含まれており、 さらに計測部 はそれぞれの発光体の発光強度に対応する光信号を区別し て検知す ·る光学的技術手段を備えてい ことを特徴とする 光学式物質濃度測定装置。
6 . センサー部には、 発光スぺク トルが互いに異なる波 長領域にありかつ少なく とも 1種は前記特定物質もしく は 特定物質から誘導される物質により消光され、 また少なく とも 1種は前記特定物質もしく は特定物質から誘導される 物質により実質的に消光されない 2種以上の発光体が含ま れているものである請求の範囲第 5項に記載の光学式物質 濃度測定装置。
7 . 導光部は、 センサー部におけるそれぞれの発光体の 発光に共通のものであり、 また計測部は、 前記導光部によ り導かれた光信号をそれぞれの発光体の発光に対応する相 異なる波長成分に分光する分光器、 分光された各波長成分 における光信号を電気信号に変換する光検出素子、 および 前'記光検出素子より得られた電気信号によつて前記特定物 質もしく は特定物質から誘導される物質より消光される発 光体の発光強度に対応する光信号と前記特定物質もしく は 特定物質から誘導される物質により実質的に消光されない 発光体の発光強度に対応する光信号の比を算出する演算装 置を有するものである請求の範囲第 6項に記載の光学式物 質濃度測定装置。
8 . センサー部において、 前記特定物質もしく は特定物 質から誘導される物質により消光される発光体と前記特定 物質も しく は特定物質から誘導される物質により実質的に ¾光されない発光体とが同じ試薬層に含有されるものであ る請求の範囲第 6項または第 7項に記載の光学式物質濃度 測定装置。
9 . センサー部において、 前記特定物質もしく は特定物 質から誘導される物質により消光される発光体と前記特定 物質もしく は特定物質から誘導される物質により実質的に 消光されない発光体とが互いに異なるが近接した試薬層に 含有されるものである請求の範囲第 6項または第 7項に記 載の光学式物質濃度測定装置。
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申请号 | 申请日 | 专利标题
JP21902187A|JPS6463842A|1987-09-03|1987-09-03|Method and apparatus for measuring concentration of optical material|
JP62/219021||1987-09-03||DE19883852108| DE3852108T2|1987-09-03|1988-09-02|Vorrichtung und verfahren zur optischen messung der konzentration an material.|
DE19883852108| DE3852108D1|1987-09-03|1988-09-02|Vorrichtung und verfahren zur optischen messung der konzentration an material.|
EP19880907814| EP0383912B1|1987-09-03|1988-09-02|Method and apparatus for optically measuring concentration of material|
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